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るように、外航のP船以上の船設備をもつ「内航近代化船」が多数就航するようになりました。
内航の主力船型の定員は、航路や積み荷によって多少の差はありますが、二人から六人程度だと思われます。
たとえ、内航近代化船といえども、この人数で航海当直・荷役当直、さらには、貨物倉内の掃除などを行うわけですから加重労働になりがちです。
この負担をどうやって減らすかが最重要課題だと思います。
内航船の航海は非常に短く、今日積んで中一日走って翌日揚げというような、外航船から見れば、ハードだと思われる航海を行っているため、全く骨休みをする時間がありません。
また、荷物の手当が困難な最近では次の航海の決定が遅れ気味です。
積み荷を揚げ切った後、とりあえず、どちらかの方角に向かって走ってくださいといった類の指示が多くなっています。
長引く不況のせいにするのは簡単ですが、船長さんをはじめ乗組員の方に精神的なプレッシャーを与えているかもしれません。
なお、船員法の改正により、労働時間の短絡が行なわれ、今年四月から原則として週平均四十時間制に移行されました。
内航の主力船型である七〇〇トン未満船は、平成九年四月から施行されることになります。
このように法も整備され、船そのものも整備されつつあり、徐々にこの種の同題は解決されていくものと思いますが、内航海連業界だけですべての問題を解決することはできません。
行政当局、ならびに各荷主のご協力とご指導を得ていかなければなりません。
当社としては、このような実情を社長から担当者までが正しく認識し、現場で苦労されている乗組員の方の負担を少しでも軽くしようと考えています。
当社では営業の第一線の担当者を「安全パトロール員」に任命し、年二回の訪船活動を行なっています。
また、この安全パトロール訪船とは別に「営業訪船」と称し、年一回の訪船活動を行なっています。
社船、傭船を問わず、すべての船を漏れなく訪れ、船長さん以下、すべての乗組員の方々と親しく面談し、船の設備・構造などのハード面と乗組員の方の健康状態な

 

 

 

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